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ラーメン屋に入ると、予想外の人に遭遇した。

「おう!進藤じゃねェか!久しぶりだな!」

「椿さん!!」

椿さんと会うのなんて、もう何年振りだろうか。
「おまえ、デカくなったなァ。ちゃんとサン付けできるようになってよ」
「もーそれ何年前の話だ?椿さんの方は全然変わってねェな」

椿さんは相変わらず「ハハ」って大声で笑う。
「どうだ?今日は久々に一局打とうじゃねェか」
「そうしたいけど…」
申し訳ない気持ちで、誕生日のこととじーちゃんとの約束を椿さんに話した。
「それじゃ仕方ねェな。誕生日なら今日のラーメンはオレが奢ってやるぜ」
「本当?ありがとう!」
「当然だろ。子どもに払わせなんてしねェさ」
プロ試験の蕎麦の味を思い出して、つい笑ってしまった。

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