棋譜をめくりながらオレは僅かに違和感を覚えた。裏表紙が妙に分厚い。
仕掛けを探ると、隠された小さな鍵が出てきた。
「これは?」
オレは鍵を手に取り、塔矢にたずねた。
「それが本当のサプライズプレゼントだ」
塔矢の眼差しは優しいけど、少し不安そうだ。
「ボクはもうすぐこの家を出て、一人暮らしを始める」
えっ。そんなの初耳だ。
「キミにも来てほしいんだ」
オレはただ塔矢を見つめていた。
「受け取るかどうか、キミが決めてくれ。ボクは…これからの人生をキミに捧げたい」
塔矢って、こんなにかわいい顔してたっけ?
「進藤…ボクはきっとこのまま、キミしか愛せないと思う」
そんな不安そうにするなよ。